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2015年(平成27年) 9月10日(木)〜13日(日)

応用生態工学会 第19回郡山大会
<第19回総会・第19回研究発表会>

(同時開催)  公開シンポジウム (河川整備基金助成事業,みちのく国づくり支援事業)
『生態系機能を活用した減災/防災/復興』

第19回郡山大会実行委員長:占部城太郎(東北大学大学院生命科学研究科 教授)

※本大会の各プログラムは土木学会のCPDプログラムに認定されています。[単位詳細]

【応用生態工学会 第198回郡山大会 自由集会】 


A自由集会.「応用生態工学ならではの魅力ある啓発・普及コンテンツとは?」

【日時・場所】 9月10日(木) 09:30〜11:30 [会場:7011教室]

  企画:田代 喬(名古屋大学))・真田誠至(アクア・トトぎふ)・沖津二朗(応用地質)

  内容:

昨今,応用生態工学に関連する分野では,河川生 態学,環境水理学など,多くの専門書が刊行されている.しかしながら,いずれも刊行部数は少数に限られ,重版されることは極めて少ないのが現状である.論文の多くが電子化され,洋書については E-Bookなどの発行形態が増えつつあり,さまざまなメディアファイルを関連付けるなど,幅広い展開を見せているのに対し,日本語で書かれる専門書の多くは,冊子のみの発行に留まっている感がある.

学会の魅力を高める方法には,年次大会,機関誌の充実に加え,昨今では,IT やビジュアル表現などをフルに活用した関連情報の収集と発信であるとの指摘がある.企画者らは,IT 技術やビジュアル表現を駆使して作成された,視覚メディアによる啓発・普及コンテンツ,ならびに,これらを通じた研究成果のインタプリテーションと情報発信に興味と可能性を感じ,この集会を企画した.

本自由集会では,映像資料などのビジュアル表現を通じた生態的展示の先駆的な事例紹介,現状の学会 HPの来訪状況に関するアクセス解析などを踏まえ,応用生態工学ならではの魅力的な啓発・普及コンテンツを探る議論を行いたい.

   プログラム
    ■趣旨説明:田代 喬(名古屋大学
    ■話題提供:
     ・話題提供1:河川生態のとらえにくさと視覚メディアの役割 吉冨友恭(東京学芸大学)
     ・話題提供2:河川教育の現場における動画の活用 真田誠至(アクア・トトぎふ)
     ・話題提供3:水生生物のミクロな形態,ダイナミックな生態を伝える 渡辺友美(早稲田大学)
    ■総合討論
      学会HP 来訪状況のアクセス解析 沖津二朗(応用地質)
      オーガナイザー 真田誠至(アクア・トトぎふ)・田代 喬(名古屋大学)


B自由集会.「自然の浄化機能を活かした水質浄化技術」

【日時・場所】 9月10日(木) 09:30〜11:30 [会場:7012教室]

  企画:中野和典(日本大学工学部)

  内容:

水や大気を清浄化する自然の浄化作用は,重要な生態系のサービスのひとつである.自然の作用は持続的であり,そのような自然の機能をうまく活用することが持続的な低炭素社会を実現するために不可欠であるといえる.人工湿地は,自然の湿地とは桁違いの水質浄化能力を付加することに成功した半自然的な汚水処理システムであり,その技術革新により人工的な汚水処理を半自然的な人工湿地に代替することが現実的になってきている.本自由集会では,わが国で実施している人工湿地の実証試験等の紹介を通して,自然の浄化機能を活かした水質浄化技術に関する最先端の知見を紹介する.


C会議「河川砂防技術基準(調査編)をもとにした意見交換会」(傍聴可)

【日時・場所】 9月10日(木) 16:00〜18:00 [会場:7011教室]

  意見交換メンバー:

    国土技術政策総合研究所:福濱水環境研究官,中村圭吾主任研究官

    土木研究所:萱場祐一上席研究員

    土木学会環境水理部会:芝浦工科大学 宮本仁志 教授,山口大学 赤松良久 准教授,
                    鳥取大学 矢島啓 准教授

    応用生態工学会:徳島大学 河口洋一 准教授,名古屋大学 田代喬 准教授,
                東邦大学 西廣淳 准教授,水源地環境センター 中村敏一

  内容:

国土交通省においては,平成 24 年 6 月に河川砂防技術基準(調査編)(以下,河砂基準)が改定されました.その総論には「新たな調査方法等の採用に当たっては,国土技術政策総合研究所等による関連情報の収集・調査等によるほか,学識者や関係者等の意見を聞くことにより最新の調査方法,技術的知見,課題等を把握する作業を定期的に行い,調査編の内容を見直すこと」としており,産官学の連携を通じた河川管理技術の向上が期待されています.

このたび,河砂基準の環境分野の記載が,最新の学術的・技術的水準および現場実務での活用実態・実績を踏まえたうえで,必要かつ十分なレベルで適宜改定されるよう学識者や関係者等と意見交換を行うことを目的として第3回意見交換会が開催されます.

※傍聴について:傍聴希望者は傍聴可能です.ただし,傍聴者のご発言はできません.


D自由集会.「小さな自然再生が中小河川を救う!W」

【日時・場所】 9月10日(木) 16:00〜18:00 [会場:7012教室]

  企画::林博徳(九州大),三橋弘宗(兵庫県立大),原田守啓(岐阜大)

  内容:

:自由集会「小さな自然再生が中小河川を救う!」は 2012 年より毎年開催され,各地の事例紹介や普及にむけた課題等について議論・整理を行ってきた.そして,これまでの成果は関係各位の尽力によって取りまとめられ,今年3月には小さな自然再生の事例集を発刊した.本事例集は,出来上がるまでの過程で,単なる事例の整理だけでなく,小さな自然再生の定義や進め方,普及へ向けた課題などについて様々な関係者間で議論を行い,非常に内容の濃いものにまとめられたと考えている.本自由集会では,この事例集の内容について紹介するとともに,これまで紹介されていない各地の事例発表を行い,今後さらに小さな自然再生の取り組みの裾野を広げていきたいと考えている.

   プログラム
    ■司会:林博徳・原田守啓
    ■話題提供:
     @これまでの経緯と,発行した事例集の紹介(後藤勝洋・JRRN 事務局)
     A各地の事例紹介
      ・室見川の取り組み(地域で守る室見川の「環境」と「文化」〜シロウオ産卵床造成プロジェクト〜)
                                                      伊豫岡宏樹(福岡大)
      ・高知での取り組み(三崎川における取り組み - 市民主導型の手づくり魚道)
                              山下慎吾(高知工科大/Sakanayama Lab.)
      ・鴨川における取り組み(タイトル未定) 竹門康弘(京都大学)
    ■質疑及び統括:
     コメンテーター:玉井信行(東京大学名誉教授・JRRN 顧問)、島谷幸宏(九州大学教授)
     コーディネーター:三橋弘宗


E自由集会.「未来の自然災害に向けて応用生態工学ができることは何か?:東日本大震災の後にどうする?どうなる?応用生態工学会」

【日時・場所】 9月10日(木) 16:00〜18:00 [会場:7021教室]

  企画:久米学(国立遺伝研)・森誠一(岐阜経済大)・中村太士(北海道大)

  内容:

東日本大震災から 5 年目を迎えて今なお復興は道半ばである.その過程において,環境アセスメントがなされないままに,復興事業は行われてきた.また,応用生態工学会に関しては会員各人の活動(研究を含む)に留まり,学会としての対応は後手にまわった感は否めない.その一方で,近い将来に巨大地震が起こるとする予測が数多く出されている.さらに近年,局地的な集中豪雨に伴う土砂災害や洪水被害などの自然災害が立て続けに発生している.これらのような自然災害発生時は,応用生態工学会の存在意義が問われる場面の 1 つではなかろうか.それ故に,東日本大震災からの復興と同時に,近い将来起こるとされる巨大地震をはじめとする自然災害に備えて,“事前に何をしておくべきか”そして“事後に何をすべきか”,を整理しておく必要があろう.そこで本集会では,東日本大震災の教訓を踏まえて,自然災害発生の事前・事後における応用生態工学会ができうる対応について、幹事会における災害対応特命班での検討内容も含め議論したい.

   プログラム
    ■趣旨説明:森誠一(岐阜経済大)
    ■事例報告
     1.稲葉修(南相馬市博物館):震災・原発事故後の生物、これから―被災地域の自然と文化を守るために―
     2.三浦一彦(大槌町役場):復興事業の進展により見えてきた新しい課題
     3.演者未定(幹事会災害対応特命班)・宮良工(沖縄環境地域コンサルタント):
                                         学会における災害対応の考え方とその手順
    ■総合討論
     司会:森誠一(岐阜経済大)
     パネリスト:三浦一彦(大槌町役場)・稲葉修(南相馬市博物館)・
            宮良工(沖縄環境地域コンサルタント)・樋村正雄(いであ)・
            久米学(国立遺伝研)・中村太士(北海道大)・他,調整中


F自由集会.「流域地質と山地河川の生態系」

【日時・場所】 9月10日(木) 17:30〜19:30  [会場:7013教室]

  企画:田代喬(名古屋大学)・永山滋也(土木研究所)・一柳英隆(熊本大学)・皆川朋子(熊本大学)

  内容:

流域における表層地質は,斜面崩壊や土石流の発生機構を支配し,河川へ流出する水の量や化学的性質をも規定するとされている.そのため,生態系にも影響を及ぼすとされているが,現在のところ,その因果関係を陽的に明らかにした研究は国内外においてほとんど見当たらない.

企画者らは近年,九州,あるいは,東海のいくつかの山地河川を対象として,流域地質に起因して成立する生態系の各種過程を記載すべく,調査研究を継続してきている.本自由集会では,生態系のひとつの支配要因としての流域地質を理解するため,日本の地史,河川地形に関する背景的情報の整理を行ったうえで,山地河川の生態系の諸過程において流域地質の影響が顕著に表れている事例を紹介する.

総合討議では,流域地質と河川生態系の関係について,どこまで分かったか,どこに課題が残されているかを中心に議論を進めたい.なお,我が国の中小河川の多くは山地河川に位置づけられていることから,この種の整理が河川の維持管理に新たな視点を提供できるものと考えている.

多様性保全や水資源管理のために,ダム湖のあるべき姿について意見交換したい.

   プログラム
    ■趣旨説明:田代 喬(名古屋大学)
    ■イントロ:日本地史の紹介,河川地形の分類(永山滋也(土木研究所)
    ■話題提供:
     ・話題提供1:地質-地形-魚類の関係(永山滋也(土木研究所)
     ・話題提供2:石礫の性状と底生動物群集(田代 喬(名古屋大学)
     ・話題提供3:地質の違う渓流での生物の生き方の違い:サワガニとカワネズミの事例(一柳英隆(熊本大学)
    ■総合討論:流域地質はいかに生態系を規定し得るか?:中小河川を巡る維持管理の視点含め
     オーガナイザー 皆川朋子(熊本大学)・田代 喬(名古屋大学))
     コメンテーター 竹門康弘(京都大学)


G自由集会.「応用生態工学からダム管理を考える」

【日時・場所】 9月11日(金) 15:30〜18:00 [会場:7011教室]

  企画:谷田一三(大阪市立自然史博物館)・一柳英隆(水源地環境センター)

  内容:

ダムでは,治水や利水などの目的のために様々な操作が行われる.放流量コントロール(それはダム湖内の水位にも影響する)に代表される操作は,ダム湖や下流の生態系に影響を与えると考えられる.この自由集会では,ダムの操作と生態系の関係を紹介し,操作自体をどのように生態系保全に活かすのか,操作上の制約の中でどのようにより良い生態系に導いていくかについて議論したい.

   プログラム
    ■話題提供
     1.ダム湖の外来魚防除とダム管理の水位操作(大杉奉功 水源地環境センター)
     2.水位操作とエコトーンに発達する植生の生態的機能・外来種管理の限界(浅見和弘 応用地質株式会社)
     3.ダム湖エコトーンの生物多様性と地形・水位管理(関島恒夫 新潟大学)
     4.フラッシュ放流が河川・河畔域に与える影響評価(根岸淳二郎 北海道大学)
     5.フラッシュ放流への期待と制約(天野邦彦 水源地環境センター)
    ■コメント:現場から(山内尚也 三春ダム管理所)
    ■ディスカッション(コーディネーター:谷田一三 大阪市立自然史博物館)


H自由集会.「中小河川における多自然川づくり,課題そして展望−テキスト刊行に向けた認識の共有を目指して−」「震災復興に応用生態工学はどのような貢献ができるのか2:復興の現状と課題」

【日時・場所】 9月11日(金) 15:30〜18:00 [会場:7012教室]

  企画:萱場祐一(土木研)・原田守啓(岐阜大)

  内容:

テキスト刊行委員会では「河道内氾濫原の保全・再生」に続く号として,中小河川づくりを実践する上での基本的な知識と技術を網羅したテキストの執筆を企画しています.

ご存知のように,中小河川の川づくりは,平成 22 年に「中小河川に関する河道計画の技術基準」が通知,平成 23 年にこの解説本であるポイントブックVが発刊され,具体的な川づくりの方向性と方法が示されました.しかし,ポイントブックVは中流域を対象としており上流・下流域に関する知見に乏しいこと,その後の中小河川研究において幾つかの新しい知見が見出されたこと,そして,中小河川における多自然川づくりに関する基礎的な知識や技術を網羅した教科書が見当たらないことから,関連する知見と技術の体系化を図り,会員の皆さんと共有できるテキストの発刊を企画することとしました.

本集会では,中流域における最新の知見に加えて,中小河川の流域管理,山間地河道の川づくりに関する知見について話題提供して頂き,中小河川の多自然川づくりに関するこれからの方向性,技術的な課題や学術的な知見を整理し,川づくりに対する課題と展望について認識の共有化を図ります.また,本学会のテキストとして取りまとめる方向性について議論し,テキスト発刊の出発点にしたいと考えています.

中小河川に関わる多自然川づくりの技術論を体系的に議論する絶好の機会です.是非ご参加ください.


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