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【応用生態工学会 第11回名古屋大会 公開シンポジウム】 

9月16日(日)13:00〜16:00

『生命の水を人と生物はいかに分かちあうか?』

(趣旨)

地球が水の惑星と呼ばれるように,人間を含む地球上に生を受けたものすべて,水と共生している.水を利用できるという大きな恩恵と洪水・旱魃などの厳しい脅威との共生といってもよい.人間文明の驚異的な発展は,それを支える水の制御を高度に発展させてきたし,技術の恩恵が地球上の多くの人々が享受できるようにとも配慮してきた.しかし一方では,これまで気づいていなかったところで,いくつかのあるいは非常に多くの生命の水を収奪してきたことにやっと気づき始めた.またそれがわれわれ自身の存在の存続とも関わることにもうっすら気づいている.さまざまなところで,こうした状況を正確に把握し,それを克服するすべを探し始めた.
 わが国でも,河川整備に多自然工法を導入したり,自然空間の保全に心を配り,また環境維持流量の確保という視点で水資源利用のあり方も再検討されつつある.その中で,環境目標とそれに至る戦略の重要さを認識,議論を重ねている中で,Sandra Postel氏の著作Rivers for Lifeに遭遇した.わが国と異なる地理的・水文的また社会的状況で,それぞれの背景を踏まえながらも国際的な連携を軸にしながら,あらゆる生命を包含した水の恩恵・脅威を共有する仲間のなかで,どうそれを分かち合うかを人間が工夫する姿を紹介するものとして大きな感銘を受け,山岸・辻本で翻訳して日本に紹介したところである.
 今回,われわれの招聘を快く受諾いただいたSandra Postel氏に基調講演を伺い,またわが国の河川・水資源管理や生態系の視点からの話題提供もいただいて,生命の水(恩恵と脅威)をどのように認識し,分かち合うのか(制御していくのか)の議論への導入とする.「水の惑星の明日」の姿とそれへの道筋が,国際的な視野と地域的特徴に即応した智恵の接点という視点から見えないだろうか.

◇プログラム◇

13:00 開会 辻本哲郎(大会実行委員長)
13:10〜14:40 招待講演「River for Life」
 サンドラ ポステル(Global Water Policy Project理事)
14:40〜16:30 パネルディスカション
話題提供1 「流域における水需給バランス:本当はどれだけの水が必要か?」
 大森浩二(愛媛大学沿岸環境科学研究センター)
話題提供2 「日本における河川整備・開発の歴史的・地理的特徴
〜「命の川」をいかに分かち合うかの実践的議論のために〜」
 藤田光一(国土交通省国土技術政策総合研究所)
全体討論
[講演者略歴]
ウィッテンバーグ大学で地質学及び政策科学を学び、デューク大源経済・政策の修士を取得、1983年からワールドウォッチ研究所で国際水資源問題を研究し、1988年から1994年まで同研究所のVice President for Researchを務めた。
1994年に”Global Water Policy Project”を設立し、現在その理事を務めている。2002年11月には、雑誌「Scientific American」の選ぶ初代「科学的なアメリカ人50」”Scientific American 50”に、科学と工学に対する功労者として名を連ねた。

*同時通訳あり
*参加は無料ですが、定員がありますので事前にお申込ください。
*河川整備基金助成事業

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