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ELR2012 東京

2012年(平成24年) 9月8日(土)〜11日(火)

<応用生態工学会第16回総会・第16回研究発表会>
印刷用PDFファイル【1.5MB】(2012/8/27差換え)

ご 案 内


【ELR2012 東京 研究集会】 

時間帯・会場がそれそれ異なりますのでご注意ください

3学会(日本緑化工学会・日本景観生態学会・応用生態工学会)に所属する会員から,7つの研究集会が企画されています。集会には所属学会によらず参加でき,事前申込は不要です。


●原子力災害被災地の生態再生(I) −里山ランドスケープの放射能と除染−

【日時・場所】 9月8日(土) 10:00〜12:00 [会場:242教室]

企画:
日本緑化工学会 小林達明(千葉大),水庭千鶴子(東農大),大内公安(ライト工業),星澤保弘(日本植生)
内容:

東電福島第一原子力発電所事故による放射性物質の自然環境中への大規模拡散は,わが国が初めて体験する国難的事態である。世界的には1986年のチェルノブイリ原発に次ぐものだが,地形や気候・社会状況が全く異なるわが国では事象を新たに検証し,解決のためにさまざまに工夫をこらす必要がある。とりわけ,森林や住宅・農地周辺の法面の取扱い方針は定まっておらず,早急にかつ幅広く知恵の結集が必要とされている。本集会では,事故後,実際に福島に入って研究・対策にあたっている諸氏に集まっていただき,生活圏としての里山ランドスケープという観点から放射能の分布・動態に関わる現時点の知見を整理し,今後の対策のあり方について検討する。

プログラム
・集会企画趣旨説明 : 小林達明
里山流域単位の除染を目指したGIS整備 : 近藤昭彦(千葉大環境RS研センター)
都市緑地の除染 : 水庭千鶴子
農地と法面の除染 : 大内公安
里山林縁のり面の浸食・放射能移行防止 : 星澤保弘
・コメント 小川泰浩(森林総研)ほか専門家を予定

●植物を用いた被災者支援 −農学系学生による活動報告−

【日時・場所】 9月8日(土) 17:00〜19:00 [会場:132教室]

企画:
日本緑化工学会 緑・健康研究部会 岩崎 寛,飯島健太郎,今西純一,山本 聡
内容:

昨年度,緑化工学会の緑・健康研究部会では「被災者に対するメンタルケアとしての緑化・植物」というテーマで研究集会を開催し,災害看護の専門家をお招きし, 緑・健康研究部会のメンバーを中心に,被災者に対するメンタルケアとしての緑化・植物について検討を行いました。あれから一年,被災地では多くの支援活動が行われてきました。支援活動には時間とエネルギーが必要であることから,若い学生の活動が,今後さらに必要になると考えられます。そこで今回の研究集会では,農学系の学生が自らの専門性を活かして実施している支援活動を報告していただき,現状や課題について議論し,今後の支援活動に繋げていければと考えております。大学生だけでなく,福島県の高校生や,農業系大学の卒業生の活動報告も予定しています。多くのご参加をお待ちしております。

プログラム
・話題提供者(予定)
福島県立明成高校 教諭および同高校農業クラブ草花班の高校生
千葉大学園芸学研究科環境健康学領域の大学生
兵庫県立淡路景観園芸学校の修了生 ほか
・コメンテーター : 中村家子(東洋大学・臨床心理士,看護師)
・司会 : 岩崎 寛(千葉大学大学院園芸学研究科)

● 魅力的なテキストをつくろう !

【日時・場所】 9月8日(土) 18:00〜19:30 [会場:243教室]

企画:
応用生態工学会 テキスト刊行準備委員会 萱場祐一(準備委員会代表,土木研究所)
内容:

応用生態工学会では,応用生態工学に関する情報を積極的に発信し,学会員へのサービス向上,学会員増加を図ることを目的として,応用生態工学のテキスト刊行を計画しています。本計画は応用生態工学会第3次中期計画の一つとして位置付けられており,幹事会においてもテキストの内容等について検討を重ねてきました。また,平成24年3月にはテキスト刊行準備委員会が発足し,テキスト刊行に向けた具体的な取り組みを開始しています。本自由集会では,テキスト刊行の経緯や考え方,想定するユーザーやテキストの活用方法,テキストの目次やその概要について情報提供を行うとともに,これらについて集中的な議論を行い,結果をテキストづくりに反映させたいと考えています。会員の皆様は奮ってご参加ください。


●共同による震災後の生態系変化の把握 −調査データの集積と共有を可能にするプラットフォームづくりをめざして−

【日時・場所】 9月10日(月) 9:00〜12:00 [会場:132教室]

企画:
日本景観生態学会 東日本大震災復興支援特別委員会 鎌田磨人(委員長,徳島大),藤田直子(九州大)
内容:

先の震災と津波によって被災地の生態系は大きな影響を受けた。復興の核となる地域の生態系がどこにどのように残存しているのかという情報は,出来るだけ多くの人々に認識されるとともに,今後の地域計画や各種政策へも反映されるべきものである。これまで,様々な主体によって様々な生態調査活動が行われてきたが,個々の調査結果がバラバラに存在している状態では,価値ある情報が認知されないまま埋もれてしまう可能性を否定することはできない。早急に,地域の生態系情報を集積・共有して異なる主体で共有するための環境づくり,地域自治体や市民がそれらの情報を活用できるような環境づくりが求められる。それを実現させるためには,プラットフォーム(Platform;異なる情報を一元的に管理・公開するための基盤や土台となるもの)が必要となってくる。本研究集会では,『各主体がどのような調査を行なってきたか』の情報共有を行い,それを元にした『主体間の連携』と『共通プラットフォームづくりへの道』を議論することを目的とする。

今回の研究集会では,まず各主体が行なってきた地域の生態調査活動について,1)何を目的として,2)どこでどのような調査を行なっているのか,3)そのデータはどのような構造で集約されているのか,4)調査結果をどのように発信し誰に伝えようとしているのか,という情報を共有した上で,各主体が行なってきた地域の生態系情報を集積・共有して異なる主体で共有することを目指し,web GISの整備を含めた共同活動に発展させていくための展望や課題を協議する。

プログラム:

話題提供者:糸谷正俊(社叢学会),鎌田磨人(景観生態学会),小此木宏明(NACS-J),佐藤直人(生物多様性センター),原 慶太郎(景観生態学会),原 正利(植生学会),平吹喜彦(南蒲生モニタリングネットワーク),増澤 直(景観生態学会) (予定,50音順)


●小さな自然再生が中小河川を救う !

【日時・場所】 9月10日(月) 9:00〜11:00 [会場:141教室]

企画:
応用生態工学会 林 博徳
内容:

河川の環境再生には,縦横断方向の広域ネットワークの再生や氾濫原環境の再生などに代表される広域空間スケールでの河川システムを再生することが重要である。河川環境の“再生”は,英語では“restoration”という言葉が用いられることが多い。一方,水制等の構造物を導入したり,魚道を付けたりといったような部分的な環境再生のアプローチには,一般に,“in-stream restoration”あるいは“minor restoration”等の言葉が用いられている。これらの再生手法による環境再生は,近自然工法が河川に導入され,多自然型川づくり始まった当初,本邦でも数多く実施された。しかしながら,その後“in-stream restoration”の効果はrestorationに比べて限定的とされる見解が一般的となり,現在では注目度が小さくなったように感じている。しかし,一方でin-stream restorationは,@大規模な改修を必要としないので,安価で手軽に導入が可能,A空間が限定されている河川でも導入が可能,B発揮する機能の種類は限定的でも,ある機能については大きな効果を発揮することがある,C河川規模の比較的小さい河川におけるインパクトは多きい,D河床・河岸の安定,など河川環境改善のツールとして有効である側面も多いものと思われる。本自由集会では,in-stream restorationの手法を“小さな自然再生”と呼び,その導入事例を紹介し,その価値について見直すとともに,効果的な導入のあり方等について議論したい。

プログラム

話題提供者
 バーブ工(共生センター・萱場祐一)
 兵庫県の取り組み(兵庫県立博物館・三橋弘宗)
 冬季堪水田における取り組み(九大・横内良介)
 上西郷川における取り組み ウッディデブリ,巨石,落差工(九大・林 博徳)


●生物多様性保全に寄与する地域性種苗の確保に関する取り組み −三陸地域の復興を主な視点に−

【日時・場所】 9月10日(月) 9:00〜10:30 [会場:142教室]

企画:
日本緑化工学会 生態系保全研究部会 中島敦司,夏原由博,入山義久,橘 隆一,吉原敬嗣,中村華子
内容:

生態系保全研究部会では,今年からの新メンバーで研究集会を企画しました。事業者,市民,住民など「実際に扱う」,「実際に触れる」視点に重心を置いて,生物多様性・地域性種苗に関連するテーマの研究集会を重ねたいと考えています。

東北地方太平洋側,三陸地域での遠い将来にわたっての復興を見据え,これまで実際に地域性種苗の確保に向けて行われてきた取り組みを紹介し,レビューしなおします。寒冷湿地,自然公園内での種苗確保の取り組み,そして地域性種苗の活用のために必要な環境整備についてこれまで取り組んだ事例を紹介し,課題を出し合い,議論したいと思います。多くのご参加をお待ちしております。

話題提供

法面緑化用種苗の現地採取 : 福田尚人(岩手大学大学院連合農学研究科)
ゴルフ場に残存させた自生個体からの種子採取 : 吉原敬嗣(紅大貿易株式会社)
寒冷地でのヨシの再生・種苗の生産に関する取り組み : 内田泰三(九州産業大学)

コメント

簗瀬知史(高速道路総合技術研究所),入山義久(雪印種苗株式会社)ほかを予定


●斜面緑化研究部会がめざす法面緑化の新たなルール作り(その2)−法面の自然回復緑化の最前線 モニタリングと評価−

【日時・場所】 9月10日(月) 10:30〜12:00 [会場:142教室]

企画:
日本緑化工学会 斜面緑化研究部会
内容:

斜面緑化研究部会は,日本緑化工学会が2002年に公表した「生物多様性保全のための緑化植物の取り扱い方に関する提言」を受けて,2004年に「のり面における自然回復緑化の基本的考え方のとりまとめ」を発表して以降,斜面における自然回復緑化にスポットを当てた研究集会やシンポジウムを開催し,議論を重ねてきた。斜面緑化に対するさまざまな問題点が指摘される中で,“緑化目的・目標が不明確であること”と“緑化目的・目標に適合した検査基準が整備されていないこと”が大きな問題であり,早急に解決すべきことがあぶり出されてきた。従来の侵食防止を主目的とする早期全面緑化と,地域生態系の回復を主目的とする自然回復緑化では,工事での取り組み方法は大きく異なり,自然回復緑化では緑化目的に応じた施工法,検査法,維持管理が必要である。こうした基本的な考え方が非常に曖昧であるために,現場で混乱が生じていると理解された。

本研究集会では,平成24年1月31日に実施した研究集会「斜面緑化研究部会がめざす法面緑化の新たなルール作り」の第二弾として,最近の自然回復緑化事例に対するモニタリングおよびその評価について報告する予定でいる。


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