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時間帯・会場がそれそれ異なりますのでご注意ください
【日時・場所】 9月15日(木)−2日目− 9:30〜17:30 [第3会場:2F423講義室]
企画:日韓応用生態セミナー実行委員会(担当:辻本哲郎・知花武佳)
主旨:
日韓の応用生態工学の研究者が,主として河川の自然復元を話題に2004年以来,徳島,ソウル,名古屋,光州,中標津,晋州,さいたま,ソウルと交互にセミナー開催を続けてきました.日本側では応用生態工学会のメンバーを中心に,学会とも連携をとりながら進めてきており,とくに2009年にはさいたま大会の国際セッションの一部を利用した開催を行いました.一方2010年ソウルでは,国際生態水理学シンポジウムのなかで特別セッションとして開催されています.こうした経験も踏まえ,今回は金沢大会の自由集会枠で口頭発表,ポスター発表,パネルディスカッションのセットで第9回日韓セミナーを企画し,応用生態工学会のすべての会員の皆さんにもこうした活動を知っていただき,今後の展開へ協働できたらと考えています.韓国からは10名程度の研究者の参加が見込まれています.自由集会は,6〜8編の口頭発表と若干のポスター発表とともに,これまでの事例や最近の研究をベースに,河川や流域さらには国土管理への応用生態工学のアプローチの普及や進化についてパネルディスカッションを予定しています(すべて英語). ぜひ,日韓がそれぞれの応用生態工学的アプローチをどう発展,展開させているか,興味をお持ちの方の参加を期待しています.
プログラム
・日韓セミナーの趣旨と意義
・河川・流域管理への応用生態工学的アプローチ
口頭発表(日韓それぞれ3〜4編)
ポスター発表とその総括
・パネルディスカッション
Prof. Heung-sik Choi (Sangji University), Dr. Hyo-seop Woo (KICT),
鎌田磨人(徳島大学),竹門康弘(京都大学),辻本哲郎(名古屋大学)
応用生態工学的アプローチの進化と今後の課題
環境管理計画・政策化における課題
今後の日韓連携と発展形
総括
【日時・場所】 9月15日(木)−2日目− 14:40〜17:40 [第2会場:1F415講義室]
企画:久米学(岐阜経済大)・小出水規行(農村工学研究所)・森誠一(岐阜経済大)
主旨:
河川における氾濫原域が劣化・減少している一方で,それに代行するともいえる魚類の生息場所として水田・水路生態系が注目されている.この水田・水路生態系も農業従事者の高齢化や後継者不足により,維持・管理の簡便化を目的とした圃場整備が進んでいる.その中で,水田・水路生態系の生態的機能の維持や創出のため,そこに生息する魚類をはじめとする水生生物の生息状況の把握が求められ,盛んに研究が行われている.しかしながら,現状の調査方法・解析手法は,魚類の実態に即したものなのだろうか?また,これらの知見から,有効な維持・管理や復元・再生の手法を提供できるのだろうか?そこで本集会では,水田・水路生態系における魚類研究を精力的に行われている4名の方々にご講演いただき,水田・水路生態系における魚類研究の現状と課題を整理し,今後の環境改善に向けた応用的かつ効果的な研究の方向性について議論したい.
プログラム:
【日時・場所】 9月16日(金) −3日目−14:30〜17:00 [第2会場:1F415講義室]
企画:柳井清治(石川県立大学)・山崎裕治(富山大学)
趣旨:
ヤツメウナギ類の祖先が地球上に現れたのが4~5億年ほど前だといわれ,最古の化石が3億6千年前の地層から見つかっている.興味深いことに,その形態はほとんど変化しておらず,まさに「生きている化石」といえ,脊椎動物の進化の過程を探る上で重要な生き物である.悠久の時間の中で劇的に変化したであろう環境の中をしぶとく生き抜いてきたヤツメウナギ類ではあるが,近年の人間による自然環境の急激な改変には適応できずその存続が危ぶまれるまでに追い詰められた.この懸念すべき状況は日本各地でみられるが,それにとどまらず,アメリカ西海岸や北ヨーロッパなどでも同様であることが報告されている.こうした実状を背景に,2011年4月にはアメリカ・オレゴン州ポートランドでヤツメウナギ保全フォーラムが開催され,保全に関する知見や技術を各国で共有しようとする動きが高まっている.
ヤツメウナギ類の多くは,海と川を行き来し,産卵のために適度なサイズの礫を求め,さらに幼生が潜り込めるような柔らかい砂泥や餌となる落ち葉などの有機物を求めるなど,非常に多様な環境を必要とする.これらのことからもわかるように,彼らの生き方には,健全な河川にとって何が重要なのかを知る鍵が隠されている.またアメリカ先住民族や我が国の里山地帯においては貴重な蛋白源としてだけでなく,地域の文化や精神的な象徴として重要な役割を担っている.本集会では前半に謎の多いヤツメウナギ類の起源と進化,生態と利用,そしてその河川環境に対する役割について報告していただく.後半は保全や増殖に向けた技術開発の事例と国際的な連携に関する動向を報告していただき,ヤツメウナギ類を考慮した河川管理の今後の在り方について提案を行ってゆく.
プログラム:
【日時・場所】 9月16日(木) −3日目−15:30〜17:30 [第3会場:2F423講義室]
企画:佐川志朗(土木研究所)・北村淳一(三重県博物館)・森誠一(岐阜経済大)
趣旨:
種指定天然記念物4魚種は,すべてが日本固有の淡水魚類であり学術的にも重要な我が国の遺産である.1970年代に天然記念物指定されて以来,各関係機関により生息域内・域外保全が粛々と実施されてきているが,指定から30年以上経過した現在おいても絶滅の危機に歯止めはかからず,むしろ野生生息地は減少し続けている.彼らのように特異な環境に生息する個体群の生息場所を保全するためには,生息場所の環境特性を定量的に把握してその環境を順応的に創出する応用生態工学(ECE)的アプローチが重要となる.また,メタ個体群の遺伝的保全にも目を向け,局所個体群間の流動についても留意する必要がある.本集会では,4魚種の保全に関わりが深い方々に御講演いただき,さらには,コメンテータそれぞれの御立場から忌憚のないコメントを頂戴し,4魚種の絶滅に歯止めをかけるべく,現状の保全対策の評価と今後の方向性について議論を深めたい.
プログラム: