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【応用生態工学会 第14回札幌大会 公開シンポジウム】

9月24日 (金) 13:00〜17:00

流域スケールでの生態系サービスの最大化
〜景観要素・物質循環・ハビタットを総合的に考える〜

会場 : かでるホール

(趣旨)

地球レベルでの温暖化や気候変動の影響が懸念される一方で、土地利用の変化などに伴って生活に密着 した地域レベルでの自然環境が大きく変化している。その結果、生態系サービスとして人間が受ける恩恵 が、多くの場合は低下している。受益している生態系サービスを認識し、維持し、必要に応じてその機構 となるプロセスを再生することが今後ますます求められてくると考えられる。

自然界の様々なプロセスにおいて最も重要な役割を果たすのは水の流れであり、水の流れの空間的な広 がりとつながりを表す“流域”という単位は自然資源管理の観点から非常に有用である。水の流れによっ て物質循環が上‐中‐下流‐沿岸域へと連続性を呈するので、流域内・沿岸域に多様な空間スケールで存 在する様々な景観要素内部でのプロセスを理解し、それらの相互作用を考慮した上で統合的な対策をとる ことが流域管理の観点から重要になる。

本シンポジウムでは、カリフォルニアデルタにおける大規模な自然再生事業の概要等について基調講演 していただく。また、流域を大きく3 つの生態系(上流森林渓流域、河川中流域、汽水沿岸域)と区分し、 各系において物質循環やそのハビタットへのつながりに関する研究知見を国内招待講演者より分かりやす くご紹介いただく。主に基盤・調整・供給にかかわる生態系サービスに焦点を当て、各生態系内・間のプ ロセスから流域としてのサービスを最大化するための方策を応用生態工学視点から議論し、効率的な流域 管理の在り方を模索したい。

◇プログラム◇

13:00 開会  中村太士(北海道大学大学院農学研究院 教授/大会実行委員長)
13:10 招待講演「Perspectives on Restoring the California Delta」
 Clifford Dahm(Lead Scientist - Delta Science Program - Sacramento, California (and) Professor - University of New Mexico - Albuquerque, New Mexico - USA)
14:00 講演1 『北海道北部の森林流域における生態系機能とサービスの特性』
  柴田英昭 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 准教授

講演2 『河川景観の変化とそれに対応した生物相の成り立ち-木曽川中流域生態系サービスの維持機構』
  根岸淳二郎 北海道大学大学院地球環境科学研究院 特任助教

講演3 『鉄の供給源としての湿原−アムール川流域とオホーツク海・親潮に見る物質・生態系連環−』
  白岩考行 北海道大学低温科学研究所 准教授
15:15 休憩
15:30 パネルディスカッション
コーディネータ: 中村太士 北海道大学大学院農学研究院 教授
パネリスト (アイウエオ順)
         :  柴田英昭 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 准教授
           白岩考行 北海道大学低温科学研究所 准教授
           根岸淳二郎 北海道大学大学院地球環境科学研究院 特任助教
           Clifford Dahm ニューメキシコ大学 教授

*この公開シンポジウムは河川整備基金の助成を受けて実施します

*公開で無料の催しですが、席に限りがありますので事前にお申し込みください