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【応用生態工学会 第14回札幌大会 自由集会】 

時間帯・会場がそれそれ異なりますのでご注意ください


●自由集会「札幌の川、ざわめく自然を体験しよう!〜研究者といっしょに魚とり〜」

【日時・場所】 9月23日(木) 10:00〜15:30 [会場: 札幌市豊平川さけ科学館]

  企画:応用生態工学会札幌

開催主旨
 札幌で応用生態工学会が開催される機会に、札幌市民に「応用生態」の分野を知ってもらい、学会員にも市民の活動を紹介するために企画しました。
札幌に集まった会員と市民が一緒に川を歩き、川の地形や生きものについて学びます。とくに、会場近くの豊平川では、砂礫の流失による河床低下がおきて近年岩盤が露出したため、現地見学と川の模型実験によりメカニズムを詳しく学びます。また、サクラマスが産卵する小さな支流では、魚とりをしながら魚や水生昆虫がどのように川の砂礫や植物を利用しているか、人為的改変はそれらの生き物にどのような影響を与えるかといった研究を子どもたちに紹介します。さらに、会場近くの岩盤化した真駒内川で、砂礫を堆積させる取り組みにより、サクラマスの産卵環境が復元した事例を紹介します。
市民にはあまり知られていない分野の研究や対策を一緒に楽しく学びたいと考えています。プログラムについては、同封のチラシをご参照ください。

場  所:札幌市豊平川さけ科学館(住所:札幌市南区真駒内公園2-1 電話:011-582-7555)
現地案内:池田宏(元つくば大学)、河口洋一(徳島大学)、三宅洋(愛媛大学)、渡辺恵三((株) 北海道 技術コンサルタント)
定  員:学会員10 人(先着順)
参 加 費:ひとり200 円
応募方法:下記を明記し、手稲さと川探検隊代表 鈴木玲(aasuzuki@pop11.odn.ne.jp)宛にメールを送 ってください。
   件名「応用生態工学会自由集会申し込み」
   本文「氏名、メールアドレス、当日の連絡先(携帯電話など)、参加人数」
主催:応用生態工学会札幌
共催:札幌市豊平川さけ科学館
協力:手稲さと川探検隊、真駒内川水辺の学校

プログラム等チラシpdf


●自由集会「ザリガニの保全」

 【日時・場所】 9月23日(木) 13:30〜18:00 5階520研修室

  企画:応用生態工学会 札幌 ザリガニ研究会(事務局:山田浩行)

趣旨
 日本には3 種類のザリガニ類が分布しています。在来種の二ホンザリガニ、そして外来種のウチダザリガニとアメリカザリガニです。二ホンザリガニは環境省を始めとした各行政機関により希少な種として位置づけられ、保全が必要となっています。一方、ウチダザリガニは環境省により特定外来生物に指定され、同じくアメリカザリガニは要注意外来生物で、防除等の対応が必要です。このようにザリガニ類は、我々が何らかの対応をすべき種になっております。
日本では、今後どのような形で、どのような方向でザリガニ類とつきあうのか?これを生態工学の視点で議論したいと思います。希少な在来ザリガニ類の保全で先進的な取り組みをしている英国から講演者を招き、先端的な知見を紹介してもらいます。続いて国内のザリガニ類についての先進的な取り組みも紹介し、活発な議論を喚起します。
なお、北海道は3 種類のザリガニ類が、すべて分布するので、ザリガニ類の保全にとっては「ホットスポット」です。ここで最新の知見を普及し、意見や情報を交換し、今後の活動が一層活発になることを狙います。

主な内容:


●自由集会「流域圏から考える生物多様性保全」

 【日時・場所】 9月23日(木) 15:30〜17:00 4階大会議室

  企画:応用生態工学会COP10 対応WG(代表:辻本哲郎)
   文部科学省・科学技術振興調整費「伊勢湾流域圏の自然共生型環境管理技術開発」研究 グループ(代表:辻本哲郎)

趣旨
 2010 年10 月名古屋においてCOP10(生物多様性条約第10 回締約国会議)が開催されます。応用生態工学会では、この機会を、応用生態工学に基づく生物多様性の保全シナリオを提案する絶好の機会と捉え、2010 年5 月に
「生物多様性保全に向けた応用生態工学からのアプローチ〜COP10 名古屋に向けて 〜」
という国際ワークショップを開催しました。
 国際ワークショップでは、「景観・生息場の保全・修復」、「水・物質フラックスネットワークの健全化」、「都市の責任」の3 つを軸としながら、生物多様性保全に向けた行動を実践し、自然共生型流域圏の構築を目指すという行動計画が提言され、それらは「生物多様性保全に向けた応用生態工学からのアピール」として取りまとめられました。本自由集会では、この国際ワークショップの開催概要とそこで取りまとめられたアピールの内容について紹介します。また名古屋COP10 を契機に進められる今後の生物多様性保全戦略を応用生態工学会がどう担っていくかもポイントです。
 さらにこのアピールと共鳴して伊勢湾流域圏を舞台として展開されている自然共生型環境管理技術開発研究プロジェクト(代表:辻本哲郎)の中で、どのような実践戦略が立てられ、その技術開発がどの程度まで進捗しているかを紹介し、21 世紀における持続可能な流域圏構築のための応用生態工学の役割を会員の皆さんと一緒に考えたいて行きたいと思います。

主な内容:
 ・趣旨及び経緯の説明
 ・国際ワークショップ報告
  ・景観・生息場の保全・修復
  ・水・物質フラックスネットワークの健全化
  ・都市の責任
 ・生物多様性保全に向けた応用生態工学からのアピール
 ・伊勢湾流域圏の自然共生型環境管理技術開発の戦略と進捗について
 ・総合討論


●自由集会「もっと読みたい事例研究〜量は質へ転換する〜」

   【日時・場所】 9月23日(木) 15:30〜17:00 10階 1040会議室

  企画:応用生態工学会 若手の会(担当:永山滋也)

趣旨
 生態系がどうなっているのか?人為インパクトに対する生物の応答は? 現状の河道が形成されたメカニズムは?土砂は、水は、物質はどう動くのか?これらの問いへの解答は、環境の保全や再生事業に対し、より科学的な根拠や配慮事項を提示し、綿密な計画立案を可能にする。こうした、どちらかと言えば基礎科学的な研究が、これまで盛んに行われてきた。
 では、どうすれば生態系を保全・再生できるのか、解明されたキーファクターを動かすために、どんな条件下でどんな技術が必要なのか?そうした現場のための具体的な解答は、多くの場合そこには用意されておらず、現場の技術者(実務者)に委ねられる。その一つの大きな原因は、調査サイトや事業対象地毎に特性が異なるゆえ、対処方法を一般化しにくいことが上げられよう。
 重要なことは、応用生態工学は“臨床(特に、臨床外科)”であって、“基礎”の追求ではない(はず)という点である。臨床外科であるからには、様々な制約条件の下で患者(現場)と対峙し、オペを施し、それを検証して、次のオペや患者に活かすという経験を積み重ねることが必要である。しかし、個人の経験には限界がある。だから、臨床外科医は、病気に関する基礎的知識だけに留まらず、他の臨床事例を多く知ろうとする。いわば、量(事例)を質(治療やオペの手法)へ転化させるのである。この姿勢は、応用生態工学にも必要であると思えてならない。
 事例研究やレポートの発表は、臨床事例を共有するための一つの有効なツールではないだろうか。本集会では、いくつかの応用生態工学的な事例報告から、事例の共有化を図る意義を考え、さらにペーパーとしての事例研究に要求される編集者サイドの見解を交え、事例研究発表の活性化に寄与する議論を行いたい。

□ プログラム:
 1.開会
 2.挨拶と趣旨説明 永山滋也 (10 分)
 3.事例報告(発表+質疑15 分×3 件=45 分)
  ・久加朋子(京都大学・工学)
  ・佐川志朗(土木研究尾j・自然共生研究センター)
  ・坪谷太郎(北海道技術コンサルタント・川づくり計画室)   紫
字は9/1に追加
 4.中間討論(10 分)
 5.事例研究に求められること(中村太士 北海道大学農学研究院 教授)(発表+質疑15 分)
 6.総合討論(20 分以上)
 7.閉会
 8.懇親会


●自由集会・英語セッション「Prof. Cliff Dahmと議論してアドバイスをもらおう」

【日時・場所】 9月23日(木) 15:30〜18:00 10階 1030会議室

  企画:根岸淳二郎

趣旨
 ニューメキシコ大学のProf. Cliff Dahm は、海洋学のバックグラウンドを持ちながら河川生態系のおもに物質循環や微生物生態学の専門家として数多くの研究および多くの学生の指導を経験されています。このたび応用生態工学会札幌大会へ基調講演者として招聘します。この機会を利用して主に大学院生やポスドクなどの若手研究者を対象として、研究に関する議論をしてアドバイスをもらうというセッションを企画します。各人に対して15-20 分程度の時間を割り当て、その中で表現方法は自由です(基本路線はパワーポイントのプレゼンあるいは印刷物を見せての研究紹介とそれにつづくディスカッション)。英語による研究についての意見交換の訓練ですので、1対1のやりとりを基本にしますが、必要に応じて企画側(根岸淳二郎他数名)が英語通訳のサポートをすることで充実した意見交換の場を提供したいと思います。世界的に著名な研究者と個人的に議論できる貴重な機会なので是非活用して今後の研究活動の発展に生かしていただけたらと思います。なお、真剣な議論への相応の準備をお願いしますが、お茶を飲みながらのインフォーマルな雰囲気で行いますので、あまり構えずに参加を前向きに検討していただけたらと思います。

□ 主な内容
 ・研究内容の説明
 ・Prof. Cliff Dahm からの質問とそれに対する回答
 ・議論を通してアドバイスを受ける