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【応用生態工学会 公開シンポジウム】

10月4日(土)14:00〜16:50

『川と川辺のリンケージ:健全な河川生態系を修復するために』

(趣旨)

 自然再生事業が施行され、河川においても各地で積極的な取り組みが始められつつある。自然再生事業は、自然が自らのシステムを創りあげるのを手助けする事業であり、その過程において、健全な生態系の再生・修復を目指して順応的に管理していくことが求められている。ここでは、土木工学的な思考よりも生態学的な思考が優先し、その場所が本来有する生態系の構造と機能を十分に把握することが必要不可欠となる。しかしながら、自然再生事業による生態系の応答を予測することは難しく、河川生態系の健全性を取り戻すために、上流域と下流域の関連性、あるいは川と川辺の関係性をどのように構築していけばよいかが模索されている。
 そこで今回の公開シンポジウムでは、オーストラリアの第一線でこれらの課題に取り組んでいるグリフィス大学のスチュアート・バン教授をお招きし、さらに国内からは、物質の流れを共通項目として、大気・森林・土壌・陸水生態系(渓流、河川、湖沼)の相互作用の統一的研究に取り組んでおられる総合地球環境学研究所の吉岡崇仁助教授、そして土砂動態・河川植生・物質循環などの総合的な研究に取り組んでおられる北海道大学の中村太士教授のお二人を講演者として迎え、健全な河川生態系のあるべき姿について討論を行うこととした。当日は、クイーンズランド大学の橘川次郎氏にもコメンテーターとして登場願い、当研究会理事の島根大学汽水域研究センターの國井秀伸教授を総合司会に、国際的視野を踏まえて討論を行いたい。

◇プログラム◇

14:00〜14:05 趣旨説明 國井秀伸(島根大学汽水域研究センター教授、当学会理事)
14:05〜15:05 「川と川辺のリンケージ:健全な河川生態系を修復するために」
“Riparian and river linkages: Opportunities for restoring aquatic ecosystem health
Professor Stuart E. Bunn(オーストラリア・グリフィス大学教授)
15:05〜15:35 「森林−河川−湖沼生態系における物質循環のカスケード」
吉岡崇仁(総合地球環境学研究所助教授)
15:35〜16:05 「河川・水辺・湿地の復元−物質の流れ・撹乱・生息場環境の視点から−」
中村太士(北海道大学大学院教授)
16:05〜16:50 総合討論
座長:國井秀伸(島根大学汽水域研究センター教授、当学会理事)
パネラー:Stuart E. Bunn、吉岡崇仁、中村太士、橘川次郎(クィーンズランド大学名誉教授)

<参加費無料・同時通訳あり>

*応用生態工学会では、2000年に米国ワシントン大学のカー教授を、2001年に英国バーミンガム大学のペッツ教授(ビデオ講演)、2002年のオーストリア・ウィーン農業大学のナハトネーベル教授を招聘し、それぞれ『健全な生態系とはなにか−評価と回復のために−』、『河川の自然復元の現状と課題』、『生態学と工学の連携−総合流域管理に向けて−』と題し、公開シンポジウムを行った。

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