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シンポジウム

小さな自然再生のすすめ part3

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市街地や農村地域における自然環境(小河川やため池,雑木林や鎮守の森など)は,平野部や湿地域等に生息する動植物にとって,開発後に残された貴重な生息場所です.しかし,こうした環境はたいてい小規模で点在するため,動植物の生息状況は孤立した状態にあることも珍しくありません.小さな自然再生とは,こうした身近にある小規模な自然環境のあり方を見直し,地域の住民や地方行政が主体となって,豊かな生態系を取り戻すために簡易な技術による工夫に取り組むことです.

これまで2度行われてきた「小さな自然再生のすすめシンポジウム」では,中小河川・農業水路に適する魚道づくり,ため池や里山における放棄田等の活用法,あるいは地域主体の市民団体の体制づくりといった数々のテーマを紹介してきました.このような技術はすべて,その地域にふさわしい自然環境を復元,あるいは創出することを目的としたものです.

3度目の開催となる今回は,過去のシンポジウムのアンケート結果や講演者,参加者からの要望を受け,1)水域生態系に特化した技術紹介を行うこと,2)十分な質疑応答時間を設けることに配慮しました.

是非、自然再生に携わる市民団体、実務者、研究者等の皆様にご参加頂きたく存じます.

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日 時 2012年11月18日(日)  13時00分から17時30分
場 所 兵庫県立人と自然の博物館 大セミナー室
主 催:水辺のフィールドミュージアム研究会
共 催:兵庫県立人と自然の博物館
参加費:500円(博物館観覧料および資料代を含む)

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基調講演:

■佐川志朗 (兵庫県立大学自然環境科学研究所田園生態部門 准教授)
タイトル:魚類が棲む水際域構造と環境劣化河川への付加的修復
内容:河川水際域における魚類の棲み場所を定量化した様々な研究成果と、人為的に改変された河道における修復事例をご紹介する。

事例紹介

■皆川明子(滋賀県立大学環境科学部 生物資源管理学科 助教)
タイトル:魚が使える田んぼと水路をどう維持する?
内容:ドジョウやメダカなど様々な魚たちが繁殖・成育できる田んぼと水路の形態をどうやって維持したらいいのか。生きもののポテンシャルが高い水田を抱えながらも水田の減少が著しい東京都での保全事例と、農業生産とのバランスで苦慮する三重県での取り組みをご紹介します。
■佐々木宏展(水辺のフィールドミュージアム研究会/摂津市立第二中学校 理科教師)
タイトル:アメリカザリガニの遡上特性を利用した新たな捕獲方法の紹介
内容:アメリカザリガが急激に増加した湖沼やため池では、水生植物が食害され、それに伴う貴重植生の減少、底生動物相の貧弱化、湖沼内の高濁度化などが生じやすい。このため、全国各地で外来ザリガニの駆除が実施されるが、その手法は、餌入りのカゴ網を水中に沈めて数時間〜数日後に回収し、回収時点でまだ生きているザリガニを駆除するという極めて人的・精神的労力の大きな作業となっている。
そこで本研究会では、簡易魚道とソーラーポンプを組み合わせ、ザリガニの遡上特性を利用した簡単な捕獲方法を新たに開発した。ここではその詳細な手法と効果をご紹介します。
■中筋祐司 (京の川の恵みを活かす会/京都市)
タイトル:天然アユ 鴨川に再び
内容:京の食文化を支えてきた天然アユやサツキマス、鴨川への復活を目指し,平成23年5月、研究者、漁協、市民、行政(京都府、京都市)などが協働する「京の川の恵みを活かす会(略称:活かす会)」が設立されました。
木や竹を使った魚道の試験設置やアユの遡上調査など、京の川の恵みを活かす会がこれまで行ってきた活動について紹介します。
■原田 守啓 (独立行政法人 土木研究所 自然共生研究センター 専門研究員)
タイトル:日本の中小河川の課題とバーブ工法
内容:コンクリートの護岸が両岸に積まれ、深く掘り下げられた川。すっかり見慣れてしまった身近な川の姿が、どのような経緯で生まれたかを振り返ります.そして、これからの川づくりに向けた行政のいくつかの取組と、新しい河川工法であるバーブ工について紹介します。
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◇申し込み先・申し込み方法

電子メールの場合
メールマーク黄(mizubefmk(アットマーク)gmail.com)宛に、「小さな自然再生のすすめ参加希望」と明記のうえ、氏名、連絡先(所属・電子メール)を送信ください。
申込み締切
平成24年11月15日(木)
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