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応用生態工学会 東京 地域勉強会(第6回)

【開催趣旨】
来る1月16日(金)に、里山の自然再生や渓流の水質についてのお話いただく第6回勉強会を開催します。
どうか奮ってご参加ください。
日時: 2009年1月16日(金)18:00 - 20:00(予定)
場所:  (財)水資源協会 会議室
 東京都中央区日本橋兜町22-6 マルカ日甲ビル2階
 (地図:http://www.jawa.or.jp/map.html )
主催: 応用生態工学会東京
【話題提供】
1 「都市近郊に位置する谷津景観の保全優先度評価」 高橋一之さん(東京情報大学)
2 「谷津景観における自然再生と生物多様性保全」 原慶太郎さん(東京情報大学)
3 「荒川上流域における渓流水の高濃度窒素とその要因」 田林雄さん(東京大学大学院新領域創成科研究科)
(各話題の概要は下記のとおりです。)
<概要>
話題1および2 谷津景観の保全と再生
 関東地方には谷津とよばれる特有の地形がみられ水田として開発利用されてき た。千葉県の北総台地には多数の谷津があり、谷頭の湧水から始まる小川と耕地整理されていない湿田、周囲の森林からなるモザイク構造は「谷津景観」としてこの地域の里山景観を特徴づけるものとなっている。近年、生物多様性保全や文化的景観の保全という観点から谷津景観の重要性が指摘され、その保全や再生の意義が認識されている。千葉県佐倉市の事例をもとに谷津景観の保全と再生に関して議論する。
 まず、佐倉市における谷津景観の保全優先度を、生態的な要素を用いた評価と、地価公示、人口総数、世帯数の推移からの評価、の2つの観点から検討した成果を通して議論する。次に、最も優先度が高かった佐倉市の(仮称)西部自然公園予定地における谷津田を事例として取りあげ、自然再生の意義に関して議論する。
 当地で、2006年に市が購入した公園予定地の放棄された谷津田を、市と市民が協働で畔田谷津ワークショップを立ち上げ、自然再生を進めている。その成果としてニホンアカガエルをはじめとするカエル類やサシバの増加が認められた。この事例をもとに、谷津景観における自然再生の生物多様性保全に果たす役割に関して議論する。

話題3 渓流水の窒素動態
 流域の上流部に位置する森林域における渓流水の窒素濃度は従来低いとされてきたが、近年、関東地方の渓流水で高濃度の硝酸イオンが報告されている。本発表では予備調査で高濃度の硝酸イオンが観測された荒川上流域において、多地点で渓流水のサンプリング・分析を行い、その要因に関して、流域の属性や大気降下物が渓流水質にもたらす影響について検討した結果を報告する。日本において、ダムサイトは河川上流の森林域に設けられることが多く、上流域にみられる高濃度の硝酸は水資源の安定供給に多大な影響を与えると考える。本発表では、ダムにおける水資源管理や今後の建設計画に寄与する基礎データを提供する。
【参加料】 当日資料代としてカンパ(ワンコイン程度)をお願いしたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いします。
【参加申込】 ★ご参加いただける方は、参加者数の把握のためお手数ですが、広報担当の西(メールマーク緑)までお知らせ ください。よろしくお願いします。
なお、第7回(リモートセンシングに関する話題)は、2009年4月を予定しています。