『第4回東京湾海洋環境シンポジウム』
[東京湾環境回復の目標と課題]

日時:2003年1月16日(木) 10:30〜17:30
会場:東京大学海洋研究所講堂(B棟1階)

交通:詳細はホームページにて確認してください。 http://www.ori.u-tokyo.ac.jp./japanese/index.html

主催:東京湾海洋環境シンポジウム実行委員会
参加費  :無料  要旨集:1000円 
懇親会費:3000円

開催主旨:
 東京湾は環境回復を必要とする日本を代表する内湾である。東京湾の環境回復には、分野横断的な学会協調のみならず、研究者・行政・市民が共に解決策を考え、実行していかなければならない。本シンポジウム実行委員は、第1回で東京湾の生態系と環境の変遷を回顧した。第2回では海底層に形成する貧酸素水塊、第3回では沿岸埋立といった各論的テーマを扱ってきた。今回は東京湾の環境修復を目指す包括的な方向性を模索するための具体的回復目標を提出したいと考えている。

プログラム:
 10:30 開会の挨拶     清水 誠(委員長)
 10:35 「貧酸素水塊の解消を前提とした水質の回復目標」野村秀明(東京大学海洋研究所)・松村剛(財団法人愛知県水産振興基金)
 11:05 「底生生物から見た環境回復目標」風呂田利夫(東邦大学東京湾生態系研究センター)
 11:35 「漁業資源から見た環境回復目標」 清水 誠(東京大学名誉教授)
 12:05 昼休み
 13:00 「海と人の関わりの回復と今後の展開」中村俊彦(千葉県立中央博物館)
 13:30 「ボトムアップ型の環境回復とその課題−市民・漁業者の視点から」工藤孝浩(神奈川県水産総合研究所)
 14:00 「物理学的側面から見た水環境の現状と回復課題」磯部雅彦(東京大学大学院)
 14:30 「港湾事業における環境修復への取り組み」古川恵太(国土交通省国土技術政策総合研究所)
 15:00 「都市が東京湾に与える影響−水・熱輸送の視点から−」木内 豪(独立行政法人土木研究所)
 15:30 休憩
 15:40 「パネル討論:東京湾の環境修復における回復目標」座長:清水 誠(委員長)パネリスト:講演者全員
 17:30 懇親会

共催学会・団体:応用生態工学会、水産海洋学会、東京湾学会、土木学会海岸工学委員会、日仏海洋学会、日本海洋学会、日本海洋学会沿岸海洋研究部会、日本環境学会、日本気象学会、日本魚類学会、日本水産学会、日本水産工学会、日本生態学会、日本地球化学会、日本付着生物学会、日本プランクトン学会、日本ベントス学会、日本水環境学会、日本陸水学会(アイウエオ順)

協力団体:横浜市立大学

問い合わせ先:第4回東京湾海洋環境シンポジウム実行委員会事務局
〒164-8639 東京都中野区南台1-15-1 東京大学海洋研究所 野村英明

tel 03-5351-6483 fax 03-5351-6482

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第4回東京湾海洋環境シンポジウム開催について
                   派遣委員 渡辺晋(国土環境株式会社)

 今年度も表記シンポジウムを開催することになりましたので、派遣委員より会員の皆様に御連絡いたします。このシンポジウムは多数の学会から1名ずつ派遣されたメンバーで実行委員会を作り開催しているもので、応用生態工学会としては第3回から正式に参加しています。これまでのシンポジウムの結果はとりまとめて公表しており、下記の通りです。
 第1回(1996.11.28)「東京湾研究の歴史」:海洋と生物1997年第19巻第2号
 第2回(1998.12.7)「貧酸素水塊−その形成過程・挙動・影響そして対策−」:月刊海洋1999年第31巻8号
 第3回(2000.12.8)「沿岸埋立と市民生活」:月刊海洋2001年第33巻第12号
 事前の参加申し込みなどは不用で、どなたでも自由に参加できます。会員割り引きも何もありません。上記プログラムは多少変更になる可能性があります。その場合は御容赦下さい。
 もともとこの実行委員会では、最終的に東京湾の環境再生に向けた提言をしたいと考えており、今回の第4回シンポジウムの後は、提言に向けた検討を始める予定です。
 現在、自然再生、都市再生ブームになっており、東京湾流域では様々な機関が再生事業を計画、実施しています。しかし、1つの大きな目標があって、それに向かって役割分担をしているようには思えず、各機関が独自でばらばらに動いているようにも思えますし、その中には相反するようなものまでみられます。
 そこで、この学会連合では、多くの学会の知識を1つにまとめて、東京湾流域全体を視野に入れて、最終的には東京湾の環境を修復するための提起をしたいと考えており、そのための1つとして、東京湾および湾流域の環境を統一的に監視・研究するための東京湾研究所の設立も提言していこうとしています。
 ただし、その提言内容については、共催学会がすべて賛同するとは限らないため、各学会とこの実行委員会提言の関係をどうするかといったことも検討を始めています。また、学会連合は、自然環境(水質等も含む)については強いですが、人間活動すなわち都市、経済、法律といった社会経済的な分野には若干弱いような印象があります。将来の人の生活も充分に考慮したものでないと、よい目標が立てられず、今のところは、個別の目標設定(たとえば水産の分野からみた目標)にしかなっていません。課題は多いですが、じっくり考えていきたいと思います。
 興味のある方は、シンポジウムに御参加下さい。