応用生態工学研究会

「新・生物多様性国家戦略/自然再生事業シンポジュウム」
〜 松浦川・アザメの瀬自然再生事業を現地に見て 〜

主 催 : 応用生態工学研究会
共 催 : 佐賀大学
後 援 : 国土交通省武雄工事事務所、唐津市

【趣 旨】

新・生物多様性国家戦略と自然再生事業について

2002年3月末に「新・生物多様性国家戦略」が閣議決定された。この国家戦略は、自然と共生するためのトータルプランとしての理念と長期的方針を示すとともに、次の見直しまでに実施すべき具体的施策を盛り込んだアクションプランでもある。戦略の基本方針に3つの方向性のひとつとして、「保全の強化」、「持続的利用」とともに掲げられているのが「自然再生」である。それは、「科学的認識」「統合的アプローチ」「知識の共有・参加」「連携・共同」にもとづいて実施される「生物多様性保全に寄与する」自然の修復や再生を意味する。そのような理念に沿った自然再生の事業がいち早く開始されたのが松浦川のアザメの瀬である。
本シンポジウムでは、実際に再生事業がすすめられている現場で、自然再生の理念や実際の進め方、そこでの応用生態工学の役割などを考えてみたい。また、シンポジウム自体が松浦川での先進的な自然再生事業における「知識の共有・参加」「連携・共同」のためのフォーラムとして重要な役割を果たすことをめざしたい。


松浦川・アザメの瀬におけるとりくみ

松浦川ではアザメの瀬地区において自然再生事業を開始した。現状は水田である。有史以来水田であったと思われる。したがって目標とすべき昔の姿はよくわからない、そういった場での再生である。目標はあくまでも松浦川でかつてよく見られた生物の復活とそれらと人の生活を通した触れ合いの復活である。ここでの再生は、場の再生ではなく、この場を通した松浦川の生物の再生であり、人間と自然との関係性の再生である。徹底した地元住民の参加と合意形成、そしてその土地にすむ人の知恵を取り入れ、それらを通して、地元と共に再生を試みる。
しかしながら課題も多い。例えば、事業の効果を測定する有効な手法が見つからない。生物調査をいくらしてもコストに見合うほどの成果は得られそうにない。今回のシンポジウムではアザメの瀬を題材として、目標設定、連携、評価などの項目についてそれぞれの立場からの意見交換や討議を通して、今後増えてくるであろうこのような普通の場での自然再生事業の道筋をつけることをめざしたい。

【開催日・会場】

● 現地見学会    (6月22日) : アザメの瀬(松浦川)
  佐賀県北松浦郡相知町佐里下地区
● 公開シンポジウム (6月23日) : 唐津市文化体育館
  〒847-0083 佐賀県唐津市和多田大土井1-1   TEL. 0955-73-2888

【プログラム】

● 現地見学会     平成14年6月22日(土) 15:00集合
 ◆見学地  : アザメの瀬(松浦川:佐賀県北松浦郡相知町佐里下地区)
 ◆集合場所 : JR唐津駅(JR筑肥線・唐津線)
 ◆集合時間 : 15:00(時間厳守願います) 点呼後、マイクロバスに分乗し現地へ移動
 ◆交流会  : 17:30より(参加希望者のみ/会場は参加希望者に後日お知らせします)

● 公開シンポジウム  平成14年6月23日(日) 10:00〜15:30
 ※当日の昼食のご手配は、各自でお願いいたします。
 ◆ 趣旨説明 
  鷲谷いづみ(東京大学大学院農学生命科学研究科保全生態学研究室教授、
          当研究会理事および普及委員会委員長)
 ◆ 「アザメの瀬自然再生事業」
  島谷幸宏(国土交通省武雄工事事務所所長、当研究会幹事)
 ◆「新・生物多様性国家戦略とアザメの瀬自然再生」
  鷲谷いづみ(東京大学大学院農学生命科学研究科保全生態学研究室教授)
 ◆「自然再生事業の展開とアザメの瀬」
  国土交通省河川局河川環境課
 ◆「河川・湿地における自然復元の考え方と計画論
  −釧路湿原および標津川における湿地、氾濫原、蛇行流路の復元−」
  中村太士(北海道大学大学院農学研究科森林管理保全学講座教授)
 ◆「台地の生態系、海の生態系から見た自然再生事業の意義」
  芝山秀次郎(佐賀大学海浜台地生物生産研究センター教授)
 ◆ 総合討論
  座長:鷲谷いづみ(東京大学大学院農学生命科学研究科保全生態学研究室教授)

【参加料】
● 現地見学あり   正会員・賛助会員:3,000円、非会員:4,000円、学生:2,000円
● 現地見学無し   正会員・賛助会員:2,000円、非会員:3,000円、学生:1,000円
● 交流会参加料(一律)  2,000円程度(交流会参加料は、現地で受け付けます)

【参加申し込み】
添付申込用紙に記入の上ファックス下さい。同等内容のEメールでも受け付けます。
締め切りは2002年6月14日(金)です。

【公開シンポジウム会場までの交通】
 ◆JR 唐津線(鬼塚駅、唐津駅)、筑肥線(和多田駅徒歩15分、唐津駅)
 ◆バス 「市民グランド前」下車、「文化体育館前」下車(特急以外は停車)
 (唐津駅北口徒歩10分の大手口バスセンター発の佐賀行、多久行、伊万里行、波多津行、徳須恵行)バスの運行約20分間隔
 ◆タクシー 和多田駅から約5分、唐津駅から約10分
 ※当日は十分な駐車場が準備できませんので、できる限り公共交通機関のご利用をお願いいたします。

【ホテル案内】
 ホテル等のご手配は、各自でお願いします。

【申し込み及び問い合わせ先】
 応用生態工学研究会 事務局
 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-5 第7麹町ビル226号室
 TEL.03-5216-8401 FAX.03-5216-8520