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応用生態工学会ニュースレター No.12

Ecology and Civil Engineering Society(ECES)


2000年11月30日 (木) 発行
〔発行所〕応用生態工学研究会事務局 :
〒102-0083 東京都千代田区麹町4-5 第七麹町ビル 226号室
TEL. 03-5216-8401 FAX. 03-5216-8520
〔発行者〕応用生態工学研究会 (編集責任者: 幹事長 :谷田一三, 事務局代表 熊野可文)

1. 琵琶湖大会報告

4) 琵琶湖ミニシンポジウム

第4回研究発表会の2日目(10月8日)、琵琶湖ミニシンポジウムを開催した。

[プログラム]

  1. 趣旨説明および琵琶湖総合保全について
    中村正久(滋賀県琵琶湖研究所)
  2. 健全な琵琶湖とは−現状と課題
    1. 流域の視点における環境保全
      江頭進治(立命館大学理工学部)
    2. プランクトンの長期変動と富栄養化
      一瀬 諭(滋賀県立衛生環境センター)
    3. コメント:北湖深底部におけるベントス群集の長期変化
      西野麻知子(滋賀県琵琶湖研究所)
  3. 21 世紀の総合保全−モニタリングのあり方
    1. 琵琶湖の未来環境を守る自律型水中ロボットの開発
      熊谷道夫(滋賀県琵琶湖研究所)
    2. 市民参加型モニタリングと環境政策の合意形成
      竺 文彦(龍谷大学理工学部)
    3. コメント:生態系管理とモニタリング
      坂本 充(滋賀県立大学環境科学部)
  4. 総合討論
    中村正久、熊谷道夫、坂本 充、堀家健司

琵琶湖は古来より人と深く関わりながら、豊かな生態系と固有の文化を育んできた。 健全な琵琶湖を次世代へ継承することは我々の責任であり、健全な琵琶湖とは何か、その総合保全のためのモニタリングは どうあるべきかについて討論した。

琵琶湖が抱える課題として、水循環からみた流域の人間活動、富栄養化、北湖深底部の変化、外来種などの話題提供があり、 調査研究の充実や新たな価値観の共有が提起された。環境変化の把握には息の長いモニタリングによるところが大きく、 琵琶湖の観測の歴史は古い。一方、生態解明のために開発された自律型水中ロボット「淡探」は、普段見えない湖中の ダイナミックな変化を見せてくれるお利口さんである。また、研究者や行政だけでなく、市民自らが参画するモニタリングシステムを 組み入れて、数値と感性の総合評価手法を確立することが今後の課題である。

そのためには環境教育が何よりも重要である。琵琶湖は自然的・文化的に世界遺産としての価値があることに目覚め、 それが「琵琶湖らしさ」であり、現状である。この価値をもっと宣伝して資金調達し、さらなる環境教育と学術研究に 緊急に取り組んで欲しいとの要望があった。

このような状況下において、今ほど研究のスペシャリストが要求されている時代はない。 すなわち、琵琶湖はかつて経験したことのない急速な変化をしており、少なくとも改善は見込めないので、 関心はあるが行動しない大部分の市民に、プロとしてのメッセージを伝える義務がある。 そのためには分かりやすい情報を提供する必要があり、「淡探」の構想はここにある。

最後に、「琵琶湖総合保全計画」は一種の社会的実験であり、計画と調査・研究・評価が一体となり、 市民参加によって計画が進み、プロセス自体が計画であるという発想が入っている。このような試行錯誤の中にサイエンスがある。

琵琶湖大会実行委員会琵琶湖部会長:
堀家健司(新日本気象海洋(株))



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