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応用生態工学会ニュースレター No.6

Ecological and Civil Engineering Society(ECES)


1999年3月30日 (火) 発行
〔発行所〕応用生態工学研究会事務局 :
〒102-0083 東京都千代田区麹町4-5 第七麹町ビル 226号室
TEL. 03-5216-8401 FAX. 03-5216-8520
〔発行者〕応用生態工学研究会 (編集責任者: 幹事長 :谷田一三, 事務局代表 熊野可文)

5. 「国際応用生態学会議」 (カルカッタ) 報告

Ecological Engineering の国際学会に参加して

伴幸成 (愛知県立碧南高等学校)


昨年 (1998年) 11月、インドのカルカッタで開催された ICEE (International Conference on Ecological Engineering) に参加してきましたので、 簡単に紹介されていただきます。

この国際学会はIEES (International Ecological Engineering Sociaty) の主催で行われました。 IEESは1993年にオランダで設立され、現在、本部はスイスに置かれています。ICEEは毎年開催され、これまで、スウェーデン (1991年、1995年) 、 スイス (1995年) 、中国 (1996年) 、オーストリア (1997年) で開催されており、本年 (1999年) は7月にノルウェーのオスロで開催される予定です。

以下の5つの中心テーマのもとに、カルカッタ大会は開催されました。

  1. 水資源と管理 (Water resources and management)
  2. 排水管理と養殖漁業 (Wastewater management and aquaculture)
  3. 風景と都市計画 (Landscape and city planning)
  4. 都市のゴミ処理 (City garbage management)
  5. 廃棄物処理と公衆衛生 (Health aspect of wastewater and solidwaste management)

これらのうち、水草などを利用した排水処理を中心としたテーマAと、やはり排水利用の内水面養殖を中心としたテーマBとが、 特にこの地域からの発表が集中した分野でした。テーマE (公衆衛生) についても、インドらしい発表が目に付きました。

私自身は、カゲロウの大発生に対するダムの影響について発表しましたが、河川の底生動物については、 この大会を組織した Kalyani大学の研究者すら参加していませんでした。中心となる分野が、本研究会とはかなり異なっていました。

この学会で特に印象に残ったには、カルカッタのゴミ捨て場を見学に行った現地研修 (Case studies cum technical session on Calcutta garbage management) でした。この、現地研修がテーマDに関係していたのでしょう。バスを4台ほど連ねてカルカッタの巨大ゴミ捨て場を見学に行ったわけですが、 ゴミ捨て場こそはスラム中のスラムなので、このような機会が無ければ先進国の研究者は決して見ることができないものでした。 私達は、バスから降り、団体でゴミ捨て場の中を進んでいったわけですが、悪臭が凄まじく先進国からの参加者は誰もがハンカチで鼻を押さえずにはいられませんでした。 夜間には、発生したメタンが燃えていることもあるそうです。

市街地から運び込まれたゴミがダンプからあけられると、ゴミ拾いの人達が群がり集まって拾い、ゴミの山をなくしていきます。 一人一人が拾っていくゴミの量はかなり多く、燃えるものなら何でも拾っていくように思われました。 ゴミ拾いの人達は、ゴミ捨て場入口のスラムにも住んでいますが、多くの子供達がゴミ運搬のトラックに便乗して市街地のスラムからやってくるようでした。 ゴミ捨て場でゴミを吐き出したトラックは、ゴミを拾った女性や子供と彼らが集めた資源ゴミを乗せて、再び市街地に帰っていくのです。

カルカッタ周辺の広大な湿地はこのようにしてゴミで埋め立てられ、そのような埋め立て地に約10種類の作物が植えられて、農地に変えられていきます。 様々なゴミの断片に混じってカリフラワーが特によく育っていました。学会を運営したJana教授によれば、毎年大量に押し寄せるバングラデシュからの難民によって、 そのようなスラムの住人が補給されているとのことでした。

日本からの参加者は、私と国連環境計画 (UNEP)/国連環境技術センター(IETC) から参加された松本聡さんだけで、専門の研究者は誰も参加しませんでした。 この地域からの参加者は、ヨーロッパから参加した有名な研究者達よりも、私達日本人を好んで話しかけてきたように思われます。 国際会議などで、日本人は欧米の人達に近づきアジアの人達を敬遠してしまう場合が多いように思われますが、 もっとアジアの隣人の期待に応えていくべきではないかと思いました。



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